【開発秘話】「ラクなのに、ちゃんときれい」なワイドパンツはどう生まれた? OTOさん×レタスクラブ、理想の一本をつくるまで
OTOさんとレタスクラブが一緒につくった「7days ワイドパンツ」。毎日の服選びがもっとラクに、もっと楽しくなる一着を目指して、シルエットや素材、はき心地までこだわりました。今回は、完成までの開発の裏側をご紹介します。

「ラク」と「きれい」を、どちらもあきらめない
「ラクなパンツがいい。でも、ラクさだけを優先したくはない。」
そんな思いから、OTOさんとのパンツづくりは始まりました。 お腹や腰まわりは締めつけたくない。ヒップや太もものラインも拾ってほしくない。でも、ワイドすぎるシルエットは、なんだかバランスが取りにくい。毎日のように穿くものだからこそ、心地よさも、シルエットも、どちらもあきらめない。
そんな理想を形にしたのが、「OTO×レタスクラブ 7days ワイドパンツ」です。
「体型を問わず楽しめる大人カジュアル」を発信するファッションインフルエンサー・OTOさんとレタスクラブが、シルエットからウエストの仕様、生地や色まで、何度もサンプルを見直して完成させました。
一見シンプルなワイドパンツに、どんな工夫が詰まっているのか。 完成までの道のりをご紹介します。
OTOさんプロフィール
ファッションインフルエンサーとして活動するOTOさん(@otoayabe)は、LL〜3Lサイズを中心に「体型を問わず楽しめる大人カジュアル」をInstagramで発信しています。40代夫婦二人暮らしのリアルな日常とともに、無理なくおしゃれを楽しむ着こなしを紹介し、同世代の女性から支持を集めています。
出発点は、「ラクでいたい。でも、きれいに見せたい」という気持ち
今回のパンツづくりで最初に向き合ったのは、毎日のパンツ選びで感じる「あと少しこうだったら」という気持ちでした。お腹や腰まわりはラクでいたい。でも、脚はすっきり長く見せたい。スニーカーを合わせても、バランスよくはきたい。そんな日々の着こなしで感じる細かな希望を、一つひとつ形にしていきました。
なかでもOTOさん自身が気になっていたのが、ワイドパンツのシルエットです。
「ワイドパンツって、ものによっては太って見えるんです。『お腹や腰まわりをラクにしたい』『脚をまっすぐすっきり見せたい』『窮屈なのはいや』。みなさん、似たような悩みを抱えているんですよね」
ワイドパンツは、ヒップや太もものラインを拾いにくく、頼れるアイテム。だからこそ、ただ幅を広くするのではなく、太すぎず、すっきり見えるシルエットを目指しました。幅がありすぎると脚が短く見えたり、フロントタックの開き方によっては、お腹まわりがかえって目立ってしまうことも。細かなバランスを探るところから、開発が始まりました。
もう一つ大切にしたのが、スニーカーとの相性です。
「私のフォロワーさんは、スニーカーをコーデの軸にしている方も多いんです。だから、スニーカーを合わせてもかっこよく決まって、ラクにはけるパンツにしたいと思いました」
目指したのは、ただの「ゆったりパンツ」ではありません。ラクにはけるのに、シルエットはきれい。毎日のスタイリングに自然になじむ一本を目指して、細かな調整を重ねていきました。
ワイドすぎない、絶妙なシルエットを探して
「ラク」と「きれい」を両立するために、まずこだわったのがシルエットです。
「目指したのは、ヒップや太もものラインを自然に包みながら、脚のラインが縦にすっと落ちて見える形です。ワイドパンツらしいゆとりは残しつつ、ボリュームが出すぎないように。スニーカーを合わせても足元が重たく見えず、トップスをインしてもアウトしてもバランスが取りやすい、そんな『ちょうどいい幅』を探しました」
さらに、フロントにはタックを採用。「お腹まわりにはゆとりがほしいけれど、タックが大きく開いて見えるのは避けたい」と、開き方や位置まで細かく調整しました。
「ラクだから毎日はきたくなる。でも、鏡を見るとちゃんときれい。そんな感覚に近づけるために、シルエットを少しずつ整えていきました」
正面はすっきり。後ろはラク。ウエストにもひと工夫
しかし、商品化へ向けた道のりは決して平坦ではありませんでした。とくに苦労したのが「生地と色選び」、そして「タックの調整」です。
毎日はくパンツだからこそ、見た目だけでなく、はいた瞬間の心地よさも大切です。正面からはきれいめに見えながら、座ったり動いたりするときには窮屈になりにくい。そんなバランスを目指して、ウエストまわりの設計にもこだわりました。
「座ったときにお腹が苦しくないのは大事。でも、立ったときにウエストまわりがもたつくのも嫌で……」
そんなOTOさんの感覚を形にするため、フロントタックもひと工夫。プレスでタックをつけるのではなく、立体的なタックを採用し、前タックの開き方やウエストまわりのパターンを細かく調整しています。タックが開いてパツパツに見えにくく、自然なゆとりが生まれるように、細部まで見直しました。
ラクなはき心地と、正面から見たときのすっきりした印象。その両方をかなえるために、何度もバランスを調整しています。
前だけじゃない。横や後ろから見たシルエットにもこだわって
パンツは、正面から見たときだけでなく、横や後ろから見たときのバランスも大切です。そこで、ポケットの位置や形にも細かな工夫を加えました。
バックポケットは、腰の高めの位置に配置。視線が自然と上に向くことで、後ろ姿がすっきり見えるようにデザインしています。
サイドポケットにも、シルエットをきれいに見せるための工夫を施しました。タックを入れることで、横から見たときにもほどよい立体感が生まれるようにしています。
「前から見たときだけじゃなくて、横や後ろから見てもきれいに見えるようにしたかったんです」
そんな視点で、何気なく見えるポケットのような細かなディテールまで、一つひとつ仕上げていきました。
ラクなのに、カジュアルになりすぎない。その秘密は素材に
シルエットが決まったら、次にこだわったのが生地です。はき心地をラクにしたからといって、見た目までリラックスしすぎてしまうのは避けたい。そこで選んだのが、さらっとした平織りのストレッチ素材でした。
ほどよいハリと、ほんのりツヤのある上品な風合いで、スニーカーを合わせたカジュアルスタイルはもちろん、パンプスやローファーを合わせたきれいめな着こなしにも自然になじみます。
「ラクなパンツ=部屋着っぽい」にはしない。それも、今回のパンツづくりで大切にしたことのひとつです。
「もう少し」を何度も重ねて。1stサンプルからの大修正
サンプルが上がってきたからといって、開発が終わるわけではありません。実際にはいて鏡の前に立ってみると、OTOさんが気になったのは、ポケットまわりのわずかな引っ張りでした。さらに、グレーの色味にも違和感があったといいます。
「1stサンプルのグレーが、少しグリーンがかって見えたんです。イメージしていた色とは違ったので、素材そのものから見直すことにしました」
そこで、色だけを修正するのではなく、生地そのものを変更。「この色でいいかな」と妥協することなく、理想のグレーを探して素材から選び直しました。
こうして色と素材を見直す一方で、シルエットにも細かな修正を加えていきます。
タックの「5cm」を変えるだけで、見え方が変わった
特に見直しを重ねたのが、フロントタックの仕様でした。1stサンプルでは、タックをベルト下5cmまで縫い止めていたのですが、実際にはいてみると、ポケットまわりが引っ張られてしまうことがわかりました。
そこで、タックがベルト下から自然に開くように変更し、お腹まわりにゆとりを持たせることに。ところが、今度はタックが大きく開いてしまうと、お腹まわりがパツパツに見えてしまいます。ゆとりを出すだけでは、理想のシルエットにはなりませんでした。
そこから、タックの深さや位置を細かく調整し、腰まわりのパターンも見直していきました。つっぱり感を抑えながら、正面から見たときにはすっきり見える。その絶妙なバランスを探りながら、何度も修正を重ねました。
「ほんの少しの違いなんですけど、その少しで見え方が変わるんです。だから、ここは妥協したくありませんでした」
できあがったものを一度壊して、またつくり直す。そんな試行錯誤を重ねながら、少しずつ理想の形に近づけていきました。
月曜日から日曜日まで。気づけば手に取っている「7days」
「7days」に込めたのは、1週間のどの日にも似合うパンツでありたい、という思いです。仕事の日はシャツとローファーで少しきれいめに、休日はTシャツとスニーカーで軽やかに。少しきちんと見せたい日は、ブラウスやニットを合わせるなど、トップスや靴を変えるだけで印象を自在に変えられるようにしました。
生地も、薄すぎず厚すぎないほどよい厚みを選び、季節をまたいで活躍できるように。春はシャツ、夏はTシャツ、秋はカーディガン、冬はニットやアウターと合わせて、一年を通してワードローブの定番として頼れる一本を目指しました。
「今日はこれをはけば大丈夫」。忙しい朝、そんなふうに自然と手が伸びるパンツになってくれたら。
ラクにはけることも、きれいに見えることも、好きなスタイリングを楽しめることも、そのどれもあきらめたくない。そんな大人の毎日に寄り添う一本を目指しました。
Photo:Hiromi Kurokawa
Hair & Makeup:Miho Kai
Styling:Nozomi Kameko
